『「テレビは見ない」というけれど』読了。
冒頭「テレビなんか見ないがフェミニズムには興味ある」読者に向けられてると書かれており、俺やん!!とビット立って即買い。出だしから第七世代の台頭によりお笑い界の氷山システムが崩れ始めてるとかのトピックでめちゃめちゃオモロかった。宮下草薙のような第七世代と明石家さんま世代を対立させた構造で「考えが古い」と上の世代に言ってのける番組がバズる時代になったとあった。例えばそれを家族で観て「ゆとりやな、若者」と笑う親と、親を見て「何言ってんねんコイツ」と心中笑う子ども、みたいな対立構造が生まれてるのならめっちゃいいことやなと思った。若者がテレビを見ないとはいえ、世を回す権力を振り翳す世代にとっては未だ情報発信の震源がテレビなのなら、「こういった切り口の番組を親も子どもも観る」ことが最も大事なんや!と目から鱗やった。しかも本作が番組制作側の方が書いた章も含まれてることに未来を感じる。
あと女性芸人の話もオモロかった。芸人におけるフェミニズム文脈やと渡辺直美、バービーあたりは自著も読んで知ってたけど、Aマッソやヒコロヒー、蛙亭イワクラとか若い世代もコントやフリートークに臆すことなくジェンダーを織り交ぜてて力強い(こないだ聴いた蛙亭のpodcast ep.9でも、イワクラがセクハラ発言するプロデューサーがいることを受け「これからも私は戦い続ける」と言っててグッときた)。
ドラマではやっぱ坂本裕二や野木亜紀子の名前が挙がってて、特に坂本裕二の『問題のあるレストラン』は、日本の地上波ドラマにフェミニズムを持ち込んだパイオニア的作品として本作の複数の章で取り上げられててめちゃ気になる(プライムには無い、FOD、、)。
#あと小ネタやけど各章で色んな方が「テレビ捨てたもんじゃない」トーンで語ってる中、武田砂鉄だけが「けどワイドショーだけはどうしようもない」的スタンスで1章分丸々走り抜けてて笑った。