『ガザとは何か』 / 岡真理
新年一発目。ずっと勉強したかったが棚上げしていたイスラエル・パレスチナ問題について、作家・岡真理さんの講演を纏めたもの。とても勉強になりました、、
まず俺は
「ガザはパレスチナ内の都市である。」
「ガザではジェノサイドが行われている。」
といった、基本のキすら整理できてなかった人間。読み始めはしばらく理解に相当の時間がかかったが、冒頭にある地図や年表を繰り返し確認しながら何とか読み進め、終盤にはかなり理解できるようになった。ので、タイトル通り入門書として最適。以下、レビューではなく自分なりに分かったことをまとめていく。
- 第二次世界大戦後、収容所にいた約25万人のユダヤ人が解放されるも、近隣諸国は移民として受け入れず溢れる
- パレスチナを分割し、そこにユダヤ人の国を創ることとなり、ユダヤ人を受入れ
- そこからパレスチナ各地でユダヤ人による民族浄化開始。
なぜパレスチナが受け入れ先に選ばれたのか?
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「シオニズム」と呼ばれるプロジェクトのため。遡ること古代ローマ時代、パレスチナに追われたユダヤ人が、母国へ帰還すべく起こした運動。
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戦後のタイミングで、パレスチナ(アラブ)は経済的に持続不可能と判断されたものの、ソ連とアメリカの多数派工作によって可決され、結果パレスチナにユダヤ人を押し付ける形となった。
なぜイスラエルの戦争を誰も止めないのか?
- イスラエルは自国の利益になるようなフェイクを含む情報をいっぱい広報すべく、国家予算を投入して特別な機関を設け、プロパガンダに莫大な国家予算を投入(パブリックディプロマシー(公共外交))。
- アメリカがイスラエルを支援する理由は多額の献金があるから。反対すると、次の選挙で応援してもらえず落選してしまう。
なぜガザ地区が狙われるのか?
本作によると、報道される情報はイスラエルのプロパガンダに依った偏向であり、イスラエルが今日までパレスチナに行ってきたことはジェノサイド(大量虐殺)であるというのがメッセージ。確かにフワッとメディアで見聞きする本問題は、「どっちも悪い」「なぜ争いを繰り返すのか」という意見に収束させることで、いずれ訪れる休戦まで問題を棚上げしている節がある。ただそれこそがイスラエルの思う壺、、というのがご意見。
ただ、それだって本当のところはわからず、結局はもっと自分の力で調べ進めるしかないので、本他の著作も読んでみます。2024年スタート!
政治的解決には無関心で、この不正を放置し、復興支援だけして、それが次の攻撃で瓦礫となるのをくり返してきた、そういう形で税金を浪費してきたことの責任を追及する。